カワイさんは
栃餅で儲けて
まるで旅館の様な大きな家を
高台に建てた。
それは
山の中の田舎道から
よく見える。
この村で
昔から作り続けてきた栃餅を
2、3の道の駅に出している。
賞味期限が近づいた栃餅は
カワイさんが車で村の知り合いに
配って回る。
大きな餅で餡も自家製。
栃の実の渋を取るのは大変な作業だ。
パックに5個入りで500円。
何と良心的な価格だろう。
80前の
若き日の男前の面影を残した
山の中の栃餅屋。
所々錆びの出た
白の大きなバンで
山道を帰って行った。
「又のお越しをお待ちしています」