晩秋から冬の初めは私の一番好きな季節だ。
山や道路もしっとりと湿り気を帯び、車を運転している窓に茶や黄色の落ち葉が舞落ちる。
この一番好きな季節に私は恒例の様になった鼻と喉の病気にかかる。急性副鼻腔炎と急性気管支炎。耳鼻咽喉科にすぐに行く。お医者さんは笑いながら「毎年,5月と12月前後に来ますねえ。3、4日、どこにも行かず安静に」。私が「どうしても行く所があって・・・」と言うと「貴島さんだけじゃなく、人にもうつしますよ」と睨まれた。
耳鼻咽喉が調子が悪いとご飯の準備もうっとうしい。ご近所から頂いた「山のような」大根と、人参、玉ねぎ、チキンをタイムと一緒にストーブにかける。グツグツ,グツグツ。チキンコンソメ、胡椒、塩、酒で味をつける。長時間ストーブの上で焚かれたスープはトロトロとして沈んだ気分も少しは上向きになる。
私は本当に病に弱い。
そんな鬱々としている時、南アフリカの元大統領のマンデラさん死去をニュースで知る。オバマ大統領は「理想のために生き、それを実現させた。だれもが期待したそれ以上のことを成し遂げた」とコメントした。
友達に勧められて読み始めた「もうひとつの国鉄闘争」。著者の和田弘子さんは国鉄を相手に40年も闘い続けた。その記録である。
自分の掲げた理想に向って闘い続けた人、今も闘っている人。弱虫の私には出来ない事だ。
そして、今の日本の政治を思う時「この国民にしてこの政府」と言う言葉に今更ながらうなずいている。
なし崩しに好戦的な国にだけはしてはならない。この山の中からいくら私が叫んでも、こだまが返ってくるだけだ。