11月に入ると、回りの景色はスッと秋の色に変わる。山も黄色や紅にボチボチ色づき始めた。
夜の間に雨が降り、朝ドアを開けると靄が山肌を上へと登って行き、地面も木の葉も、雨に濡れて色を濃くしてる。一年の中で一番好きな季節が今だ。
そして、朝晩はストーブに薪をくべる季節でもある。よく乾いた雑木と針葉樹を交互に燃やしていく。
朝は2つのやかんにお湯を沸かし、それで紅茶をいれ、パンを焼き、顔を洗い、食器を洗う。
スローライフやアメリカの開拓時代の生活に憧れているわけではない。薪ストーブを使っていると、自ずとこういうライフスタイルになってしまう。
鋳物のフライパンにさつま芋や栗を並べて蓋をする。ストーブの上に置き30分もすれば甘い匂いが小屋の中にたちこめる。
ほくほくとしたヤケドしそうな位熱々のオヤツが出来上がる。
大事にしていたシェーカーのロウソクを灯した。
ロウソクの光ってこんなに暗いの?
光のなかった時代から、焚き火の光へ。そしてロウソクからランプへ。ランプから電気の光になった時,その時代に生きた人達は、その明るさがどんなに嬉しかっただろうか。
進化し続ける毎日だ。小さな電球一つの生活が決していいとは思わない。
しかし、部屋が寒ければ洋服をもう一枚、床が冷たければ厚手の靴下をもう一足。そしてこの季節は白菜、大根を食べ、トマト、キュウリは夏に食べよう。
そんな風にして生活をしていけば、原発に頼らなくてもなんとか日本のエネルギーはまかなえるんじゃないかと思う。