雪が溶けて

桜の薪
桜の薪

山の中も平地も、雪は殆ど溶けた。針畑川はその雪解け水で水かさが増し、その川に放流されたアマゴを求めて毎日釣り人がやって来る。

山の中は雪の重みで折れた杉や雑木があらわになっている。根っこからひっくり返っている木もある。こんな太い大きな木が倒れるのか・・・今更ながら自然を侮っては駄目だと思う。

 

「道沿いの桜の木が雪の重みで折れたので薪にしませんか?」と軽トラを止めて訊ねてくれる隣の集落の人。

「ええ,ええ,喜んで。雪が溶けたら行きますよ。桜は燃やしてもいい匂いがします。桜餅みたいな」と私が言う。

「ベーコンを作らはってもよろしいよ」と隣の集落の人。

「そうですね」と私は答えながら「新住民が誰でもベーコン作りをするとは思わんといて」と心の中で笑う。

 

もらって来た桜の木を切って,割って、薪小屋に積む。今年の冬にいい匂いをさせて燃えてくれるだろう。

 

「川沿いの木を伐るから取りに来るか?」と違う人からも声がかかる。

「ええ、ええ、喜んで」。

「杉の間伐材が林道に積んである。沢山あるから取りに来ますか?」

「ええ,ええ,喜んで」。

私達の冬の暖房はこんな風に村の人の好意でまかなわれている。

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オキナ谷
小屋の北側に流れ出るオキナ谷の源流。夏でも水が涸れる事がない。
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