毎年のりんご

毎年のリンゴの「タルト」
毎年のリンゴの「タルト」

今年も又青森からリンゴが届いた。五所川原に住む友達からの贈り物だ。

今から30年程前だろうか。カナダかアラスカの木こりかと見まがう様な大きな男の子が私達に聞いた。「陶芸をしたいがどこか教えてくれる所を知りませんか?愛知で少し習ったがどうも自分には合わない」。能天気な夫が「実家は農家?。土地はあるの?」と聞くと「ある」と言う。「それなら家に帰りアトリエを建て自分ですればいい」と無責任なアドバイスをした。それを真に受けたのかどうかは知らないが、京都と滋賀でしばらく陶芸を習い、青森に帰ってアトリエを建て自分でやり始めた。その後一度京都の小さい我が家に泊まった時に青森での面白い陶芸生活の話を聞いた。「今、婦人会で陶芸を教えてるんです。僕、奥様方に人気があるんですよ」なんてニコニコしていた。

それから何十年、今や青森の名士である。彼のホームページで見た姿は若い時と不思議な程変わりなく、しかし、カナダの木こりみたいだったのに、作務衣を着て真剣な顔をしてろくろの前にいた。「やっぱり陶芸家は作務衣じゃないとねえ、この方が人気があるんですよ」と大きな体の背中を丸め縄文の土偶の様な顔で無邪気に言う声が聞こえる。

毎年、毎年ありがとう。新鮮な時はそのままで、少し経てばケーキやアップルパイでおいしくいただいている。

若い時に知り合いそれが切れる事なく、お互い陶器作りを続けている。出合いとは不思議なものだと思う。

毎年のりんごの「スクウェアケーキ」
毎年のりんごの「スクウェアケーキ」
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